仲介役も期待できない
この決断は、例えるならばドナルド・トランプ次期米大統領があまり先のことを考えず直情的に発言していることに似ている。日本も、それに似てきたのではないかという印象を受ける。他に違う方法を模索すべきではなかったか。
あるいは、アメリカに仲裁に入ってもらう案が浮上しているが、あまり期待できないだろう。すでに1月6日、アメリカのジョー・バイデン副大統領が、安倍首相と黄教安(ファン・ギョアン)韓国首相(大統領権限代行)にそれぞれ電話して、話し合いによって解決をするように促した。
だが、オバマ政権は終わりに近づいていることもあり、アメリカはそれほどこの問題に関われないと思う。慰安婦問題について第三者に仲介役を頼もうとしても、難しいところなのだ。一部の報道では、日米韓で解決策を探ったとしても、せいぜいアメリカが「慰安婦問題と他の問題を切り離して考えるように」と促すだけではないかという見方もある。
大使と総領事を一時帰国させるという外交カードはすでに切ってしまった。帰任のタイミングをどう判断するのか。日本政府には“大人”としての対応が迫られている。
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