平昌五輪閉会まで、ミサイル発射はない

 ただ、北朝鮮がしびれを切らし、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射するようなことがあれば、米国としても武力行使に踏み切らざるを得ない可能性もある。

 そこで、南北会談でどこまで話し合いがなされるかがカギとなる。約10時間にわたって行われた南北会談の大部分は公表されることはないだろうが、核問題については、実際はより詳細に議論されているはずだ。

 平昌冬季五輪が終わるまで、北朝鮮はICBMを発射することはないと思う。北朝鮮が中止を要求していた米韓合同軍事演習についても、マティス米国防長官は「3月18日に平昌パラリンピックが閉会した後に実施する」と表明している。

 問題は、その後だ。今回の南北会談で、どこまで話し合われたのか。韓国側が、北朝鮮側の意図をどこまで掴むのか。

 米国が「北朝鮮を攻撃しない」ときちんと約束すれば、北朝鮮は核を廃棄するのではないかという話もあるが、僕はそうは思わない。つまり、北朝鮮が核を持つ目的は「攻撃の抑止力」ではないということだ。

 以前、本コラム「米中首脳会談で武力行使の可能性が高まった」でも述べたが、2003年から2007年にかけて、米国、日本、中国、韓国、ロシア、北朝鮮との間で行われた6カ国協議は、北朝鮮に核を開発させないことを前提に開かれたものだった。

 北朝鮮が核開発をしないならば、圧力をかけることはしない。経済援助も、食糧援助もするということを決めた。ところが、北朝鮮はその裏で核開発を進め、2006年10月に核実験に踏み切った。

 つまり、金正恩の父である金正日が核開発を進めたのは、「抑止力」ではなく、その父・金日成の「朝鮮半島統一」という目標を遂げるためだと思われる。

 金正恩も、その意志を継いでいる可能性が高い。北朝鮮が核保有を目指す本当の目的は何か。ここが、一番大きな問題である。