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「答えの出ない問題は言わない」では議論は何も進まない

 こういった大きな問題があるということを、文部科学省と経産省はすでに把握している。経産省によるデータでは、5年後に145万人の人手不足となるが、10年後には人手が余ると出ているのである。

 本当に「人余り」に陥った時、政府はどう対応するのだろうか。悪いシナリオを考えると、政府は「ごまかし」で処理していく可能性がある。

 本来であれば、政府はこういった問題を国民にきちんと説明すべきである。10年、20年後のことを予測することは難しいということも言うべきだ。

 ところが、政府は、こういった「答えの出ない問題」は言うべきではないと考えているようだ。人手不足の問題のみならず、米国との安全保障も問題を曖昧にしている。18年12月18日発表された防衛計画の大綱でも、海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「いずも」型護衛艦の空母化の問題も曖昧にしたままだ。こういった問題は、たくさんある。

 曖昧にしたまま、問題だけが顕在化してゆく可能性がある。政府はこういった様々な問題について、国民に分かりやすく説明をしなければならない。問題を隠しているというよりも、説明ができないのだろうが、ならば、説明ができない理由を国民に伝えなければならない。その上で、議論の場をつくるべきだ。

 本連載は、今回をもって終了となる。こうした発言の場を与えていただき、やりがいを感じた。また何らかの形でお目にかかりたいと考えている。

AIで私の仕事はなくなりますか?』(講談社+α新書) 田原 総一朗著

 84歳になったジャーナリスト・田原総一朗が、人工知能=AIに挑む。

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