オリックスでは常に新規事業を重視しており、小さな芽を見つけたら、水を注いで、成長の見込みがあると感じたら、事業部として正式に発足させるやり方を採っています。

 最近では、関西・大阪(伊丹)両空港 のコンセッション(公共施設等運営権制度)を手掛けました。こうした仕事は当時、誰も経験のない分野でした。そこで、社内で関連知識がありそうな人材を多くの部署から集めて特別チームが作られました。そうして1つの部屋に皆が缶詰になりながら、お互いの意見に真剣に耳を傾けていました。部署の違う人たちともできるだけ情報交換することで、多くの知識が得られ、いざというときに団結しやすい環境が培われます。

 また介護ビジネスにも参入しています。これは長く赤字が続いて、風前の灯火まで追い込まれました。ですが、頑張り屋の社員もいて、なんとか立て直し、今では黒字基調になりました。

赤字でも続行した介護事業は例外中の例外

 介護の仕事は、福祉の意味合いが強いので、採算性を超えて意義ある仕事と考えてきました。ですから「早く儲けろ」とせっつくようなことはしなかった。それでも黒字化に至るには、長い月日を要しています。「もう1年」と事業を続けて、今やっと浮上し始めた状態です。

 介護事業の担当者たちはものすごい情熱の持ち主です。じっくり話を聞いていると、こちらが根負けしそうな勢いです。赤字を出しても、「来年からよくなります」と説明して、こちらが情にほだされているのか、あるいははぐらかされているのか。それもわからないほどです。

 介護事業が軌道に乗るまでは、投資家から心配されたこともありました。今ではとても評判がよく、安心できる運営となっています。もっとも、これだけ長く赤字続きの事業をストップしなかったのは、例外中の例外です。

社員、株主、社会に支持されるリーダーになるには。
その全ての条件をまとめた必読書。

 本書は、オリックス シニア・チェアマンである宮内 義彦氏がオリックスグループでの長年の経験から、企業運営の在り方を様々な角度から考え、企業経営論としてまとめた書籍です。

 激動する世界情勢や経済状況、次々と生み出される新技術など、現在の社会環境を踏まえた上で、特に新規事業や人材育成、株主対話と言った項目に重点を置き、長期成長のために企業があるべき姿を探ってみました。

 安定的な組織の成長は、社員の仕事の幅を広げたり、働きがいを高めたりすることはもちろん、取引先との良好な関係を通じた新しい価値の提供、さらに地域社会への貢献と幅広い成果をもたらします。

 そのためには日々、どんな事を考えて、実践していけばよいのか。人材や組織、技術など多様な観点からその条件をまとめています。

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