必ずしも明るい話ばかりではない

 「遊戯主播(ゲームキャスター)」と呼ばれる、ライブでゲームの解説をする新たな職業も生まれ、スマホ決済の恩恵を受けている。所属事務所からの契約金以外に、ライブ中に良い解説をすると視聴者から「打賞(投げ銭)」をもらえるため、年間数千万元(数億円)稼ぐインフルエンサーも出てきている。

 ただし、中国ゲーム産業にあるのは必ずしも明るい話ばかりではない。

 中国共産党機関紙『人民日報』が17年7月、テンセントの「王者栄耀」が「社会に深刻な悪影響をもたらしている」と批判した。記事では、ゲームのやりすぎで父親に叱られ自殺した少年や、盗んだクレジットカードで10万元以上をつぎ込んだ少女などを例に挙げている。

ライブアプリ「虎牙」の画面。「投げ銭」や「弾幕」機能も付いている

 最近では、テンセントがカプコンとライセンス契約を結んで国内販売していた「モンスターハンター:ワールド」が規制当局により販売を差し止められた。「ゲーム内容の一部に中国の政策や法規にそぐわない点があった(18年8月16日付日本経済新聞朝刊)」という。

 eスポーツの推進について記された前述の『プラン』には、その「前提」がある。「組織間の協力と監督管理を強化し、知的財産権の保護や青少年を正しく導く」というものだ。つまり、社会全般に悪影響を及ぼすと当局が判断した時点でブレーキがかけられる可能性がある。実際に、今年からコンテンツ産業に対する規制が厳しくなっており、新たなゲーム認可の審査を凍結しているようだ。

 レジャー消費拡大のために推進するか、社会への悪影響を抑えるために規制を強化するか。世界最大となった中国ゲーム市場が今、推進と規制のジレンマに激しく揺れている。