オンラインゲーム市場拡大の背景

 中国でオンラインゲーム市場の拡大を後押ししたのが、スマホ決済の爆発的普及だ。

 2000年代、中国でオンラインゲームといえばパソコンが主流であった。当時学生だった私も、よく北京人の友人にネットカフェに連れていかれ、当時流行していた「カウンターストライク」という対戦ゲームを楽しんだ。それがスマホの普及でオンラインゲームがより身近になった。

 オンラインゲーム市場規模は07年の133.4億元から17年の2354.9億元と約17.7倍と急拡大しているが、その構成比率を見ると、モバイル比率が5.2%から63.3%へと大きく高まっている。

オンラインゲームの市場規模と構成比率の推移
(出所)Wind資訊より筆者作成

 グラフからも顕著に見て取れるが、中国のオンラインゲーム市場に変化が現れ始めたのが14年。これは、テンセントが独自のスマホ向けチャットアプリ「微信(ウィーチャット)」に決済機能をつけた「微信支付(ウィーチャットペイ)」をリリースし、中国社会のキャッシュレスが急激に進み始めたタイミングだ。

 メーカー側から見ると、オンラインゲームとスマホ決済の相性は抜群である。多くのゲームでアイテム課金制が採用されている。つまり、ゲーム自体は無料でダウンロードでき遊べるが、ゲーム内で使用できるアイテムの取得に課金する。

 スマホ決済で気軽に支払いができるようになり、ユーザーはついつい使いすぎてしまうようだ。私の北京人の友人も、「拳皇98終極之戦(キング・オブ・ファイターズ)」というスマホゲームで「気づいたら7万元(約113万円)以上使っていた。死ぬほど後悔している」とぼやいていた。

 スマホ決済により、ゲームの周辺ビジネスも急速に広がっている。例えば、「遊戯直播(ゲームのライブ動画配信)」だ。中国の調査会社「Wind資訊」がまとめたデータによると、遊戯直播のユーザーは14年には2000万人足らずだったが、わずか2年後の16年には1.4億人にまで急増している。それに伴い2016年の市場規模も2年間で8.8倍となる23.7億元(約382億円)に達している。