「鳥の巣」で行われたLoL決勝戦の動画。中には再生回数が1億6000万回を超える動画もある。

 4年に一度のアジア最大のスポーツの祭典「第18回アジア競技大会」が18日、インドネシアの首都ジャカルタで開幕した。実施競技は40競技462種目。陸上、水泳、サッカーといった通常のスポーツに加え、今大会ではゲームの勝敗を競う「エレクトロニック・スポーツ(eスポーツ)」がデモンストレーション競技として採用された。

 2022年の中国・杭州大会から正式種目となることも決定しており、中国のeスポーツ市場はここ数年で急拡大してきた。今年7月に出版された『2018 eスポーツ産業報告(競技編)』(上海市新聞出版局・伽馬数据)によると、17年の市場規模は770億元(約1兆2500億円)となり、今年は880億元にまで達すると予想している。

 中国でeスポーツが急速に発展してきた背景には、国・行政レベルでの積極的な支援がある。

 16年4月、中国国家発展改革委員会、教育部、工業情報化部などの24部門が共同で発表した『消費牽引の転換・高度化の促進に関する行動プラン』(以下『プラン』)の第27項に「企業を主体とし、全国的、国際的なeスポーツ・ゲーム・娯楽競技イベントを開催する」と明記された。

 また、同年7月に国家体育総局から発表された『体育産業発展の第13次五ヶ年計画』においても、「消費牽引型のフィットネス・レジャー分野の発展をリードする」重点競技にeスポーツが選出されている。

 これらの政策からも、eスポーツ産業を推進することで、レジャー消費の拡大を期待していることがわかる。

 政策に呼応して「主体」となる企業の参入も相次いでいる。中国メディアの報道によると、騰訊控股(テンセント)が提供する人気オンラインゲーム「王者栄耀(Honor of Kings)」のプロリーグに、ドイツ自動車大手「BMW」、中国のスマートフォン(スマホ)メーカー「vivo」などがスポンサーとして参入し、17年の協賛総額は前年の十倍超となる1億元(約16憶円)に達している。また、17年に中国国内で開催されたeスポーツのイベントは500を超えたという。

 eスポーツ国際大会も中国国内で開催されている。世界で最も競技人口が多いといわれる「リーグ・オブ・レジェンド(League of Legends,LoL)」の2017年ワールドチャンピオンシップの決勝戦が、北京国家体育場(通称「鳥の巣」)で開催された。

 注目度は極めて高く、この賞金総額約459万ドル(約5.1憶円)、優勝賞金154万ドルを争うビッグイベントの会場には4万3000人を超える観客が集まった。中には再生回数が1億6千万回を超える試合動画もある。

 eスポーツの注目度が高いのには理由がある。中国ではもともとオンラインゲームユーザーが多く、ゲームイベントに関心を示すファンが多いのだ。中国互聯網絡信息中心の統計によると、2017年末現在のオンラインゲームユーザー数は4億4161万人となっている。