オンライン理財商品の「余額宝」

 アリペイを運営するアリババグループ傘下の金融サービス会社(アント・フィナンシャル)は、オンライン決済以外にも様々な金融サービスを提供している。ネット通販の購入者はアリペイの口座に資金を入れておき、商品購入時にそこから販売者へ代金を支払うが、アリババは、この積み上がった巨額の遊休資金に目を付け、投資できるシステムを開発した。これがオンライン理財商品の「余額宝」である。

 2018年3月末時点でのしくみはこうだ。(A)ユーザーは銀行口座から余額宝のアカウントに直接入金するか、(B)アリペイのアカウント経由で資金を移動するだけ。その後は、(C)委託を受けた天弘基金管理会社が、(D)主に比較的リスクの小さいインターバンクの短期金融市場で運用し、(E)その配当をユーザーへと還元する。ユーザーがネット通販で支払いする場合、(F)「余額宝」のアカウントからの直接支払いも可能で、アリペイに一旦資金を移動して支払っても構わない。(G)出金もいつでも可能だ。

(注)出金ルールとして、銀行口座から余額宝のアカウントに直接入金した場合のみ、余額宝のアカウントから銀行口座への直接出金が可能。

 時期によって若干異なるが、余額宝の運用利回りは銀行の1年物定期預金より約1~3%高く、毎日支払われる。2018年3月末現在の利回り(年率換算、7日移動平均)は4.2%と1年物定期預金金利(基準金利)より約2.7%高くなっている。また、即日の購入・解約が可能で、少額(1元)からでも気軽に投資ができる。

 余額宝は比較的高い収益性や流動性、利便性といった利点を背景に急拡大。最近の規制強化を受け、上限が10万元と引き下げられてしまった。

高まる若者の金融リテラシーにも一役

 オンラインクレジットサービス「花唄(ホワベイ)」もアント・フィナンシャルが提供する金融サービスの一つだ。

 このホワベイを余額宝と同時に使いこなすことで金利収入を得ることが可能となる。

 ホワベイは、実際に消費した月の翌月10日までに返済すれば無利子で利用できる。現金で購入せず、同額をその期間余額宝で運用すれば金利を得ることができるのである。余額宝のアカウントから直接返済することも可能で、ホワベイも「余額宝を使えば一定の収益を得ることができる」と使用を奨励している。