私たちは、どのライバルよりも、いい仕事をしようと心に決めた。単にみんなで集まってアイデアを考えるだけでなく、スタッフたちは、ウェンディーズにお願いして、実際に店でボランティアとして働き、ハンバーガーやフレンチフライのウェンディーズ流調理法を体得した。そんなことをしたのは、私たちだけだった。

 企画の中身を充実させたのはもちろんだが、クライアントの心を動かすために、思いつく限りのあらゆることを試みた。

 たとえば、『ウェンディーズ、バーガーキングを抜いて、全米2位のファストフードレストランに!』という見出しが躍るダミーの新聞を制作し、「わが社を選んでくだされば、これが現実になります」と言って手渡したり、社員が寝袋持参で会社に泊まり込み、企画を練ったり、髪にカーラーを巻いたり、歯を磨いたりする姿をビデオで録画し、「こんなに一生懸命やっています!」とクライアントにアピールしたり。

 そうした甲斐あって、私たちは75社のライバルのなかから選ばれた。その最も大きな理由は、「君たちほど一生懸命やってくれる会社は、ほかにない」ということだった。

 ウェンディーズの広告宣伝の担当者は、私たちが、ダミーの新聞まで作ったことが信じられないようだった。そして実際に、それから2年もたたないうちに、ウェンディーズは、マクドナルドに次ぐ全米2位のファストフードレストランになったのだ。

 私たちは、飛び抜けて優秀だったわけでも才能があったわけでもない。どの代理店よりも必死にやった――それが成功の理由だ。つまり、これがグリットなのだ。

Guts、Resilience、Initiative、Tenacity

 そう気づいてから、いわゆる成功者と言われている人たちを調べてみると、いずれもグリットがカギであることがわかった。だが、世間の人々は、こうした事実に気づいていない。そこで、ロビンと私は、本を書いて、それをみんなに知ってもらわなければと考えた。

 グリットとは、次の4つの要素に分解できる。まず、困難なことに挑み、逆境にめげない「度胸(Guts)」。次に、挫折から立ち直る「復元力(Resilience)」。3つ目が、率先して事に当たる「自発性(Initiative)」。そして、何があっても目的に向かってやり抜く「執念(Tenacity)」だ(それぞれの頭文字を取るとGRITになる)。