鶏シート肉を電子レンジで加熱し、棒状に切ってごまだれをかけたら「やわらかバンバンジー」の出来上がり
鶏シート肉を電子レンジで加熱し、棒状に切ってごまだれをかけたら「やわらかバンバンジー」の出来上がり

 アキオはこれを見た瞬間、肉の形のままの料理に「え? 何これ、僕が食べても大丈夫なの?」と初めは不安そうだった。

 そして一口、口に入れると「あ、食べられる!バンバンジーだ、おいしい!」と言い、「ナニナニなに?どうやって作ったの!?」と畳みかけてきた。わたしが種明かしして作り方を伝えると、「えーっ、シート肉!? クリコすごい。クリコ天才ぃ!!」と、ホメてくれた♪ やた!

 このシート肉を考案したことで、鶏のカツ煮、鶏の照り焼き&生姜焼きなどの新しいメニューがたくさん生まれた。もちろん全部、ふわふわの軟らかさ。

 そして、鶏肉がイケるなら、豚肉や牛肉だってイケるかも? と挑戦した結果、「ふわふわ豚シート肉」「ふわふわ牛豚シート肉」が完成したのだった。これらのシート肉の大活躍で、アキオごはんは飛躍的に「見た目のおいしそう度」がアップ! した。

ハッピースパイラルに突入してガッツポーズ!

 料理は、誰かに食べてもらって「おいしい」と言われて初めて楽しいもの。自分のためだけに作るのだったら、こんなに料理を好きになれなかっただろう。
 愛するアキオの「おいしい笑顔」はわたしにとって最高のご褒美であり、原動力だ。

 次は何を作ろう?何をアキオに食べさせてあげよう? どうすれば軟らかく、おいしくできるか、工夫のアイデアが次から次へと浮かんでワクワク感が止まらない。気づけばわたしはキッチンで「介護食、めちゃくちゃ楽しい!」と声を挙げ、両手グーで片ヒザを上げ、腰を折って「ヨッシャあ!」とガッツポーズを決めていた! つらいこともたくさんあったけれど、ようやく新しい世界の扉は開いて、わたしは「工夫→アキオのおいしい笑顔→原動力→工夫(に戻る)」というハッピーなスパイラルの中に入ることができた。

 そしてこの時、「ああ、介護食って新ジャンルの家庭料理だったんだ」とわたしは気づいたのだった。

 次のページで、わたしが作ったアキオごはんを少しご紹介します。軟らかさピカイチ!

牛豚ひき肉のふわふわシート肉の焼肉
牛豚ひき肉のふわふわシート肉の焼肉
牛と豚のひき肉に大和芋と豆腐などを加えてミキサーにかけ、薄くシート状に延ばした「ふわふわ牛豚シート肉」を電子レンジで加熱。フライパンで煮立てた焼肉のタレとさっと絡めれば、焼肉の完成

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