クリコ:味をみて、塩気が強いようなら牛乳を少し足してください。
助っ人F:濃厚~。飴色玉ねぎのうま味と甘み!しっかり効いてますね。そういえば、ポタージュって、実は「流動食」ですよね?
クリコ:そうなんです(笑)。まず、噛まなくていい。サラサラの液体は誤嚥しやすいけれど、じゃがいもを入れているから「とろみ」がつき、飲み込みやすい。
助っ人F:しかも、野菜を丸ごと使うからビタミンなどの栄養もある。
クリコ:野菜の栄養だけではないんです。牛乳も生クリームも使うから栄養たっぷりです。
助っ人F:おおお、ポタージュすごい! 優秀な流動食ですね。しかも、「枝豆の」「そら豆の」と野菜の名前がつくと、お洒落な感じもします(笑)。
クリコ:イメージが良いし、見た目にもきれいです。さらに言えば、洋風のポタージュだけではありません。コンソメやチキンスープを、昆布などの出し汁に変えれば和風の「すり流し」にもなります。
出し汁に変えれば「すり流し」に変身!
編集Y:あ、「すり流し」って、和風のポタージュということですか!
クリコ:例えば、今回の枝豆も、材料の玉ねぎを長ネギに変え、チキンスープを昆布の出し汁にするだけで和風の「すり流し」になります。ネギに変えると玉ねぎよりも味がちょっとキリッとします。いまが旬のとうもろこしも、かぼちゃを加えて出し汁と西京みそ(関西の少し甘いみそ)を加えると、色鮮やかなとうもろこしのすり流しに。とろみ付けには冷やご飯を入れます。
助っ人F・編集Y:うわあ、おいしそう♪
クリコ:すり流しって便利なんですよ。たとえば「レンコンがちょっとだけ余ってしまった、どうしよう?」という時も、「あ、すり流しにしよう」と、レンコンをすりおろして昆布出しに合わせます。そうそう、下仁田ネギにじゃがいもを合わせて昆布出しで作っても、ネギの甘さがやさしくておいしいです。とろみ付けの食材の分量を増やせば、濃度のあるとろみにもなるので、噛みにくい、飲み込みにくい人には、ポタージュやすり流しはとても食べやすい料理だと思います。
助っ人F:聞いているだけでおいしそうです。しかも、いろんな野菜で作れるなんて…。
(次回は、噛めない人もおいしく食べられる「トンカツ」をご紹介します)
クリコです。おかげさまで「ダンナが、ガンになりまして」連載が、『希望のごはん』という本になりました。ありがとうございます!
初めての書籍化、本づくりの編集工程。途中、何度も「Yさん、Fさん、わたしは『ただの素人の主婦』なんですよ? 忘れていませんか?」と、朝ドラの茨城弁を借りて密かに独り、つぶやいていました。どんどん茨城弁が上達している気がするのはなぜ?(茨城弁イントネーションで言ってみると、ちょっと大変さを忘れられるから不思議…)。
今回、本には、わたしが作った介護ごはん33品のレシピも収録していますが、その原稿作りも、実は簡単ではありませんでした。
もちろん料理教室でも、レシピ原稿を作って生徒さんたちに配っていました。ですが、これまでは自分の好きなフォーマットで自由に作っていたのに、今回は当然、決まったレイアウト、決まった文字数の中で、作り方を書くことに。
ところが文書作成ソフトで1行に入る文字数を固定する方法を知らなかったわたしは、「いったい、どうすればいいの!?」と悩みまくり。
結局、指定された文字数で原稿を書くために、表計算ソフトでヒトマスの中に入る文字数を数えて(これはなぜか知っていた)固定することを思いつき、この方法でレシピ原稿を作りました。
これがもう、大変で。
そして、表計算ソフトで作った原稿を見た助っ人編集Fさんもビックリ。
「クリコさん、文書作成ソフトにはルーラーという機能があって…」と教えてもらった時は、「えええっ、そんな便利なモノがあるの!?」と仰天しました。もっと早く知りたかった! ていうか、もっと早く尋ねれば良かった。くすん。
今ではルーラーも、文字数を数えてくれる機能も、文書内検索機能も便利に使いこなしてます♪ あ、それから、早く聞けば良かったといえばほかにもこんなことが…。
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