(前回から 読む

 本連載を大幅加筆編集して生まれた単行本『希望のごはん』、刊行を記念して、料理未経験者編集Yが“希望のごはん”の試作と実食に挑戦します。今回は「枝豆のポタージュ」作り後半です。

 用意した材料を耐熱容器に入れてチン!

 次に登場したのは、小型のミキサー。

 さきほどの耐熱容器の具材から、ローリエの葉っぱだけを取り除き、残りをすべてミキサーの容器に入れる。フタをしっかり閉めて、上下をひっくり返してミキサー本体にセットする。

編集Y:あれ?スイッチが無い!?

 このミキサーは容器ごと上から押すことがスイッチになっている。両手で容器を上から押さえると、ガガガガっと粉砕が始まった! フタ部分に粉砕用の刃がついていて、本体は動力のみという構造だ。

 小型ミキサーで具材を粉砕すること約10秒。

編集Y:ん? なんだか空回りしているような。

クリコ:材料が中で偏っているんですね。刃にうまく当たるようにいったん容器を取り外して、上下に振ってください。

ミキサーで混ぜただけで既にうまそう

 セットし直して粉砕再スタート。
 粒がなく滑らかな状態になったところで、ミキサーを止める。

編集Y:イイカンジ、にできたような。おお! 枝豆のきれいな色が!

クリコ:では、次に容器の中身を裏ごししてください。

編集Y:裏ごし、と言うとどうやって…?

クリコ:目の細かいざるにミキサーの中身を少しずつ入れて、上からヘラでこすります。すると、下に置いた容器に濾された具材が落ちる仕組みです。

編集Y:ははあ。こんな感じでしょうか。少しずつ、と。

クリコ:もう少し力を入れてもいいですよ。シリコン製でやや固めのヘラが、ざるの編み目に密着して濾しやすいです。

編集Y:料理には、こういう道具にも凝る余地があるわけですね。どれどれ…うわ、おもしろーい! おお、きれいな色~! このままで既においしそう!

泣けて、笑えて、生きる力が湧いてくる。
充実のレシピ、ハウツーを大幅加筆!

「この連載は仕事中に読めないのが難点。泣けてくるから。」

「お互いを思いやる優しさや、いつでも楽しさや幸せを共有するお二人の話に、会社なので毎回泣くのを堪えるのが大変でした。」

「命が輝くスーパー連載、有難うございました!」

「深い悲しみを表に出さない文章に、クリコさんの素敵なお人柄を感じました。私も主人を今まで以上に大切にします。」

「本連載は確かに最終回を迎えましたが、アキオさんクリコさんの史上最強ラブラブ物語が身を結ぶのは、まだまだこれからです!」

「食べることは生きること!胸に刻みました。」

「毎回、毎回、読むたびに涙が、ちょちょぎれました。
このばか甘カップル羨まし過ぎる。」

 連載中はたくさんの暖かいコメントをありがとうございました。「日経ビジネスが…介護料理の本?」と言われつつ、応援を力に、ついに単行本になりました。書籍名は『希望のごはん』。クリコさんの「食べることは、生きること」という言葉の意味を、そのままタイトルに取りました。

 もちろん、ただ連載を本にまとめただけではありません。エピソードのブラッシュアップはもちろん、33の人気メニューをフルカラーでレシピ紹介。食材の柔らかさの見立て方、万一の誤嚥や窒息の避け方など、実践でつかんだ介護食のノウハウも、担当編集者が「これじゃもう一冊作るのと同じ」と悲鳴を上げるほど満載です。

 家族と食と仕事への愛情が見えてくるエッセイとして、介護食のハウツー本として、そして何よりバカップル本として、お楽しみ頂ければ幸いです。

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