編集Yさんの大戦略とか戦闘シミュナントカの話は長くなるのでカットしまして…。

 クリコさんの「クリコ流介護ごはん」では、じゃがいもを茹でてつぶしたもの(ピュレ)や、飴色になるまで炒めた玉ねぎなどを、それぞれの目的に応じてよく使います。

 家族で介護をしている場合、毎回の料理にそんなに時間はかけられないはず。料理の度にじゃがいもを茹でてつぶしたり、玉ねぎを炒めていては大変。そこでクリコさんは、よく使うものを選りすぐって、時間があるときにまとめて作り置きして冷凍し、時間効率を劇的に向上させています。実は最初はどんな食材を常備しておくといいのか、なかなか把握できず、冷凍保存を思いつくまでに時間がかかり、悪戦苦闘するのですが(「『食欲をそそる流動食』に、挫折寸前…」)。

 今回の実践でも、クリコさんの作り置きの恩恵を得て、常備している中から「冷凍じゃがいものピュレ」「冷凍飴色玉ねぎ」を材料として使わせてもらったのでした。

どうしてチンするのか、分かるかな?

 編集Yさんの料理に関する認識を改めてもらったところで、 いよいよ、調理実習スタート!
 まずは、材料のうち、牛乳と生クリーム以外の材料を耐熱容器にすべて入れます。

編集Y:全部、入れちゃっていいんですね?(いくら何でもこれくらいはできるぞ)…ん? この葉っぱは? これも入れるんですか?

クリコ:はい、それも一緒に入れてください。ローリエといって月桂樹の葉っぱです。香りがぐっと良くなるんですよ。

編集Y:へー、こんな小さな葉っぱ1枚で? 

クリコ:スーパーのスパイス売り場で手に入りますよ。乾燥してあるので香りが強く、しかも保存できますし、あると重宝します。スープやシチュー、煮込み料理でいい仕事をしてくれます。

 ローリエの香りをスープに移し、冷凍ピュレを解凍し、材料全体の味をなじませるため、ここで電子レンジで加熱します。

 そして電子レンジ600Wで3分、チン! …簡単だ!
 ピーッ♪ 加熱終了。(そう言えば、最近の電子レンジはチン!とは鳴らない)

 耐熱容器のフタを開けると、おおっ、すでに枝豆と鶏ガラスープのいい匂いが!

編集Y:うう、腹が鳴る! クリコさん、ミキサーを掛ける前にチンするのは、もしかして冷凍キューブを解凍するためですか?

クリコ:そのとおり!

(調理完成&試食は、月曜日をお楽しみに!)

制作裏話その1 え、「幼児用語のルール」って、何?

 クリコです。皆さんのご声援で「ダンナが、ガンになりまして」連載が、こうして『希望のごはん』という本になりました。ありがとうございます! とてもうれしいです。

 初めての書籍化、本づくりの編集工程…それはもう、わからないことばかり! 大変でした。

 最初に戸惑ったのは編集の現場で使われる言葉です。打ち合わせで編集Yさんと助っ人Fさんが普通にやりとりしている言葉がまるでわからない。「折(おり)」の都合で料理写真を入れられる場所が固定される。写真は「裁ち落とし」にするか。レシピページにも「ノンブル」があったほうがいい。「エトキ」は、「級数」は…。

 え、なになにナニ? ソレどういう意味? の連続でした。

 時折、2人がわたしが戸惑っているのに気づいて「あ、クリコさん、裁ち落としというのは…」と説明してくれることもあるけれど、イチイチわたしが質問すると話が途切れて打ち合わせが進まないと思い、ポンポンたくさん出てくる未知の言葉を必死で書き留めて、家に帰ってからネットで検索。「ああ、そういう意味だったんだー!」と感心していました。

 ある時、Fさんが「この本用の、ヨウジヨウゴのルールが必要」と言い、瞬時に、幼児用語と脳内変換されて。えっ、赤ちゃん言葉のルールって何? どゆこと? と固まりました。

 この時はさすがに二人に尋ねたら、「用字用語」。書籍の中で使う表記ルールのことでした。「美味しい」なのか「おいしい」なのかというような。

 今なら笑い話ですが、そんなことの連続です。あ、そういえば、こんなことも…。

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(編集Yです。「ぜひ、本の裏話コーナーを」とクリコさんとFさんが強く強くおっしゃるので、そこまで言うならと本欄を設けましたが、制作中の私のやりたい放題、言いたい放題で沸々と滾らせたお二人の怒りがここで大爆発する予感が…。でもそのくらい全身全霊で、クリコさんが初めての書籍執筆に挑戦した『希望のごはん』。自分で言うのは販促、いや反則ですが、正直、素敵な本になったと思います。どうぞお手に取ってご覧になってください)