この日経ビジネスオンラインでも、ちょっとオタクな記事ネタに定評がある(つまり本人も…)編集Y氏ですが、聞けば料理経験は、はるか昔の高校生の時代に遡る、たったの一度きり!

 「うーん、料理かあ。高2の時に両親が出かけるので、母に作り方を聞いておいて自分で作ったクリームシチューが最初で最後。味は…おいしかったんじゃないですかね?」とのこと。結婚後は「キッチンは妻の王国です。うかつに足を踏み入れたら間違いなくゴキゲンを損ねます」と、あえて料理を避けてきたとか。

 つまり、まるっきりの初心者。まさに、この企画にドンピシャ!ということで生け贄に…じゃなかった、白羽の矢を立てました。

 なぜなら、クリコさんもそうでしたが、介護は突然始まるもの。

 準備も心構えもできていなからこそ、戸惑いも苦労も多い。「噛めない・飲み込めない」状態になった家族に、何をどう作って食べさせたらいいのか。料理経験の有る無しに関係なく、待ったナシの状態がやってくる…ということで、クリコさんが実際の介護体験から生み出した、噛みやすい・飲み込みやすい料理の工夫を体験してみました!

クリコ:さっそくですが、まずは枝豆のポタージュ(『希望のごはん』127 ページ)を作りましょう。

編集Y:ポタージュ? …枝豆の。はあ。

料理はセンスより手順、計量、理屈

クリコ:枝豆はこれからが旬の時季です。スーパーなどにはもうたくさん並んでいます。スープにすると、あの枝豆の香りをしっかり堪能できて、おいしいですよ。

編集Y:枝豆の…香り、ですか。(あの、草っぽい匂い?)

 まずは材料の確認から。

 茹でてサヤと甘皮をむいた枝豆100g、じゃがいものピュレ(茹でてつぶしたもの)30g、飴色になるまで炒めた玉ねぎ15g、鶏ガラスープの素、水、牛乳、生クリーム、塩、白こしょう…。

このほかに牛乳、生クリーム、調味料が加わります。

助っ人F:これで2~3人分? 量が少ないように感じますね。飴色玉ねぎ(飴色になるまで炒めた玉ねぎ)の冷凍キューブ(右下)は、こんなちょっとの量で15gあるんですね。

編集Y:ホントだ。15gってこんなに少ないんだ。

クリコ:今回作っていただくのは、夫のアキオのために実際に作っていたレシピと分量になっています。全体量が少なく感じるのは、アキオは、食べるのに時間がかかって、一度にそんなにたくさんは食べられなかったから。普通食より少なめです。

編集Y:なるほど、そうですよね、食べること自体が大変なんですからね。

クリコ:はい。でも、同じ味のものばかりだと飽きてしまうので、いろんな味の料理を少しずつそろえるので、多品種少量メニューになるんです。