「とにかく挑戦するぞ!」と食べる気マンマンのアキオと、そうは言っても食べられなかったときのアキオの落胆を想像して不安で泣きそうなわたし。湯気の立つタンシチューとグツグツの海老マカロニグラタンを前に、ふたりの緊張は最高潮に達していた。ドキドキバクバク!

 タンを小さく切って、ひとくち口に入れたアキオは、わたしの目を真っ直ぐにとらえて「おいしい。うん、おいしい!」と言うと、あとは無言で、むさぼるようにタンシチューを食べ続けた。ソースが絶品で、タンのやわらかいこと!アキオはなんと、ご飯を3杯おかわりし(!)、海老マカロニグラタンの海老だけは残したものの、ほかは完食した。アキオの目は異様に興奮していた。

やってやろうじゃありませんか!

 タンシチューが食べられたのだから、今まで以上にいろいろな料理が食べられるはずだ。わたしの気持ちは、逸った。何を食べさせてあげよう? アレも? コレも?

 再び、アキオ大好物料理の介護食バージョンでの再現トライが始まった。
 次なるアキオの大好物料理再現ターゲットは「海老フライ」だ。

 海老フライのおいしさは、何と言ってもあのプリプリ感だが、アキオには無理なのはわかってる。プリプリ感はあきらめよう。

 そこでまず、ふわふわ海老つみれを作り、そこに乾燥海老をミキサーにかけた「海老風味を増す魔法の粉」を混ぜ、その生地を海老の形に整えて、きめの細かいパン粉をまぶして油でさっと揚げた。

 「えっ!? これって、海老フライ?」と、驚くアキオ。
 「なんちゃって海老フライ~。中身は海老のすり身なの。食べてみて」
 「おお~うまい、ふわふわだぁ」

 アキオは、大好きなケチャップをたっぷりつけて、うれしそうに食べた。ヤッター!

 軟らかくてふわふわの海老風味のフライは、スナック感覚で後を引くおいしさなのだ。クリコえらい! もはや自画自賛!

 勢いに乗ってわたしは「海老マカロニグラタン」にも挑戦。これは我が家の冬の定番メニューだ。

 海老フライで使った海老すり身を小エビの形に整え、クタクタになるまで茹でたマカロニを1センチの長さに刻む。ホワイトソースに、すり身小エビとマカロニを混ぜてオーブントースターで焼けば「海老マカロニグラタン」の出来上がり。これはアキオに大好評で、完成品を冷凍保存して何度もリピートした。

エビの風味が食欲をそそる!とろ~りふわふわな海老マカロニグラタン