アキオが食べた某野菜食品は変わらぬ味だった。

 友人はそのあまりのマズさに絶句し、「これ、作った人は試食していないのかな。これを商品化した、その開発チーム全員の味覚が信じられない」と驚いていた(個人の感想です)。とはいえ、14種類のすべてがダメというわけではなく、介護中に常備したいと思えるものもあった。わたしは14種類中3つ、友人は6つに合格点をつけた。

 「おいしい」「マズい」の感覚は個人差が大きい。それは承知の上で、「マズい」ほうのブレがあまりに大きいのでここまで言ってしまった。

 試食できない以上、一つのマズい商品が、すべての市販介護食品の価値を損ないかねない。今後、味の品質の均一な向上を求めたい(マズいの連呼、お聞き苦しくてスミマセン)。

編集Y:14種類の試食、手間がかかったでしょうね。わたしも食べてみましたが、ほんとうに…味が…。

クリコ:はい、口の中にべったりとイヤな味が残るものが多かったですね。初めて試した商品が、野菜を茹でてミキサーにかけるだけで作れるものだったので、なぜ味が悪くなるのか理解できませんでした。食品添加物の影響なのかしら?

編集Y:商品の口コミ評価が掲載されているようなサイトもない?

クリコ:口コミ評価は一部のサイトにあります。でも、味の口コミは、わたしが読んでいても「え、本当?」と思うような感覚の違いがありますから…。

栄養カロリーが低い上に、値段が高い!

 そして今回、改めて気になったのは、市販の介護食品1袋で摂取できる栄養カロリーが低いこと。そして価格が高い、という点だ。

 試食した14種類の平均価格は税込約176円、平均カロリーは約68kcal。これを1回の食事に3品とおかゆ1品150円を利用すると約640円で291kcal。1日3食利用すると合計カロリーは873kcal。70代の成人男性の一日に必要な摂取カロリーは厚生労働省「日本人の食事摂取基準2015年版」によると2200kcal。必要なカロリーの4割にも満たない上に、1カ月分の費用は約6万円と高額だ。

 国立長寿医療研究センターが、2012年に在宅療養の高齢者を対象に実施した調査によると約7割の人が低栄養傾向にあると報告されている。老老介護の場合は食事作り自体が億劫になり、簡単なもので済ませてしまうという傾向もあるという。だからこそ、栄養を十分補える安価な介護食品がもっと身近に買えるようになってほしい。

あるところにはあった! 介護食レシピ本

 初めて介護食を作ることになった2012年当時、わたしはまず、生活圏内の書店に行き、介護食のレシピ本を探した。だが病院の書店でも、自宅近所の2軒の書店でもアキオに合うものを見つけられず、ネット書店では内容を確認できなかったため、結局、レシピ本の助けを得ることはできなかった。

 現在、ネット書店での介護食本の品ぞろえは、当時と比べて、驚くほど増えている。「探していた本が見つかった」「義母が食べられるものがあると知って喜んでいる」など購入者のコメントも寄せられている。

ふわふわエビチリ
海老のむき身に大和芋と豆腐などを加えてミキサーにかけ絞り出し袋に入れて、小エビの形に成形したものを電子レンジで加熱。フライパンにエビチリソースを煮立てて絡めれば、ふわふわエビチリの完成