2020年以降のために、今だからこそ汗をかく

スポ育などの事業について今後の展開はいかがでしょうか。

松崎:ダイバーシティー事業には引き続き力を入れていきます。ただ、スポ育は今とても需要が大きくなっており、2017年4月の段階で、2018年3月までの予約が埋まってしまっています。今、我々には需要に応えるだけのキャパシティーがないので、人材の採用や育成は課題といえます。

 とはいえ、安易に人を採用すればいいというわけでもありませんし、人数が増えれば遵守すべき法律も増えていくので、なかなか難しい問題だなと思っています。

 それに、この需要が今後も継続していくとは楽観視していません。無理にスケールを広げるよりも、こういったプログラムを展開することでどのような意義・効果があるのかを論文などにまとめることも重要だと思っています。今、文部科学省がパラリンピック教育を教育プログラムに組み込んでいますが、それが今後も続いていくかどうかは分かりません。だからこそ、競技やプログラムの担い手である私たちが、その効果を明示していくことが必要だと思います。

「需要が落ち着く」という意味では、2020年以降、パラリンピック競技を取り巻く環境がどのように変化していくかということも注視しなくてはなりません。

松崎:おっしゃる通りです。我々の場合、企業に関しては2020年が終わったからといってすぐに協賛を離脱されるリスクは、実は低いのではないかと考えています。それは、企業と直接関係性を築けているため、考え方をうかがえていますし、2020年以降も共にビジョンを築いていけるように長期契約も相談させていただいている最中だからです。

 むしろ、国や行政からの支援が一気に減少することを危惧しています。ですから、私たちは収入の割合にはとても気を使っていて、全体の財源に占める補助金の割合は2割をめどに注意しています。そのためにしっかりと事業を設計することが重要です。

 先ほどお話しした個人をターゲットにした施策もそうですし、他の障害者サッカー協会と連携して「日本障がい者サッカー連盟」を設立して横の連携を深めています。それによってスポ育を、日本ブラインドサッカー協会を超えたプラットフォームにした展開もしていきたい。パラリンピック競技の注目度が高まっている今だからこそ、汗をかき、力をつけることが必要です。

スポーツイノベイターズ オンライン 2017年7月14日付の記事を転載]