では、チケット収入を協会の収益源の1つにしようとは考えていないのですか。

松崎:そこはシビアに見ています。有料化することで認知も上がりますし、企業に向けて自分たちの価値を提示するためにも大事だとは思っていますが、チケット収入を協会の収入の柱の1つにすることは相当難しいと思います。

 ただし、個人の方から資金調達をするという意味では、有料化も大きな意味を持っています。私たちとしては、これから先、個人の方との関係を強化していきたいと考えています。

 それはグッズを購入いただくことであったり、寄付であったりするのですが、その中の1つとして、有料の大会を見ていただくというものがあります。ですから、チケット収入を何%増やすという視点ではなく、個人の方からの収入を何%増やすというように見ています。現在は個人の方からの収入は全体の割合からすると微々たるものですが、2024年までに10%にすることを目指しています。

2020年までに取り組むべき「観戦環境」向上

2020年東京パラリンピックまであと3年。日本ブラインドサッカー協会としてはこれからの3年間、どういった展開をしていこうとお考えですか。

松崎:まず1つは、国際大会を日本で開催することです。これまでも平均すると18カ月に1大会は国際大会を開催していますので、我々を応援してくれる人の輪を広げていくためにも、国際大会の招聘は続けていきたいです。来年以降も開催できるように準備しています。

 会場を訪れた方々によりブラインドサッカーを楽しんでいただけるような施策を打っていきたいとも考えています。例えば、ブラインドサッカーは観客とピッチの間にフェンスがあるので、選手がプレーする位置によっては、観客席から足元が見えなくなる時があります。

 私たちは以前からネット中継をしているので、その中継にスイッチングできるソフトを導入し、客席から足元が見えないようなときには映像の角度を変えるような試みをしました。すると、試合会場で見ている方々も、スマホを片手に試合を見つつ、ボールが肉眼で見えない位置に行くとスマホを見るようになるんです。このソフトはゴルフやアイスホッケーなどでも使われているのですが、他競技の利用率と比較すると、ブラインドサッカーでは非常に高い利用率を記録しました。

 このように、ブラインドサッカーを存分に楽しんでいただき、かつマネタイズにつながるような試みを実施していきたいと思っているので、今、国内大会でもいろいろな手段を試しています。

 まだ実現に時間がかかりますが、サイドのフェンスをLED化できればいいと思っています。それは「派手にやりたい」という意味ではありません。ブラインドサッカーは競技の特性上、試合会場で音声による情報補完ができません。実況解説でイヤホンを通して情報を補完していくという手も打っていますが、臨場感や一体感が失われがちですし、大型ビジョンだと観客の位置によっては見づらいこともある。そこで、LEDを使えれば、文字による情報補完をしながら、楽しんでいただく演出を含めて観戦環境もさらに充実すると思います。

観客席と選手たちの近さや一体感を大事にすることなど、ブラインドサッカーの観戦環境に対する考え方は、JリーグやFリーグよりもむしろBリーグに近いという印象を受けます。

松崎:Bリーグはとても参考にしています。実は、日本ブラインドサッカー協会の観客向けプロジェクトのリーダーは元bjリーグの方で、バスケットボールのノウハウを存分に活用していますし、演出面でも、Bリーグの演出に携わっている方に協力をいただいています。