その結果、多くの人が観戦に訪れましたね。

松崎:9日間の大会期間中、7988名の方が会場に足を運んでくれましたし、初戦と決勝戦は満員でした。これは、多くの方が仕事を終えた後に見に来やすい渋谷で開催したことも大きかったと思います。実際、私たちの研修を体験してくれた方々も、アフター5に見に来てくれました。

 このときのスタンドは満員で約1700名収容だったので、スポーツ界として俯瞰的に見ると大したことがない数字です。しかし、独自に会場を作った効果で、観客の密度が高く、今まで経験したことがないような一体感が生まれました。メディアの方々も取材に来てくださり、その様子を世の中に広く伝えてくれました。「サポーターやスタンド、施設も含めてスポーツ」なんだということに気づきました。

有料開催は「失敗するからやめた方がいい」と言われたことも

2014年の世界選手権と2015年のアジア選手権では、パラリンピック単独の競技会としては珍しい有料開催をしています。

松崎:はい。多くの方が見に来てくれたので、チケットの販売率は80%ほどに達しました。有料開催をしようとして関係各所を回っていた際には「絶対に失敗するからやめた方がいい」と言われることもありました。しかし、私たちはこれから先も国際大会を日本に招くという戦略を立てていたので、どこかで有料化にチャレンジしたいと考えていました。そうしないと、チケットをいくらで売っていいか分からない状態でした。

 2014年のチケットの平均販売単価は1362円で、2015年は1817円でした。平均単価はまだ上げられるという実感を持っていますが、そうした感覚も、実際にやってみて分かったことです。