2016年に誕生した男子プロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE(Bリーグ)」は、アリーナスポーツの新時代を切り拓いた。

 卓球やバトミントン、ハンドボール…2020年の東京五輪、またそれ以降にビジネス的にも成長が大きく期待されている競技にはアリーナスポーツが多い。その新時代の扉をこじ開けたのがBリーグだ。

 昨年の開幕前からリーグの「設計図」を描いた中心人物の1人、それが葦原一正氏である。その取り組みの中でも、リーグのデジタルマーケティング戦略などを担う企業「B.MARKETING(Bマーケティング)」の設立は、時代が経つにつれ、必ず評価されていくと筆者は信じている。

 米プロサッカーリーグ「MLS(メジャーリーグ・サッカー)」を長く取材してきた筆者にとっても大変興味深いBマーケティングの狙いは何なのか、どのように成長していくのか。Bリーグ誕生の根本的な問いへの回答も、葦原氏は明確に答えてくれた。

(聞き手は、上野 直彦=スポーツジャーナリスト)

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葦原 一正(あしはら・かずまさ)氏
公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ 常務理事・事務局長。1977年生まれ。早稲田大学院理工学研究科卒業後、外資系コンサルティング会社に勤務。2007年に「オリックス・バファローズ」、2012年には「横浜DeNAベイスターズ」に入社し、社長室長として、主に事業戦略立案、プロモーション関連などを担当。2015年、「公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ」入社。男子プロバスケットボール新リーグ(B.LEAGUE)の立ち上げに参画。(写真:加藤 康)

理念やビジョンが大事

Bリーグでは、日本バスケットボール協会(JBA)やリーグが保有するさまざまなコンテンツなどの権利(ライツ)を1つにまとめ、パッケージ化して提供する「B.MARKETING(Bマーケティング)」という会社を立ち上げました。米プロバスケットボールリーグ「NBA」でもやっていない取り組みだと思いますが、この構想を作った経緯は。

葦原:北米のMLSのモデルに注目しました。MLSはライツをまとめて管理するようにした結果、3年間でスポンサー収入が3倍になり、放映権料が5倍になったと言われています。

 Bマーケティングではまず、スポンサーと放映権をきっちり業界全体で管理していきます。

 そして、次はデータ。我々の展開で特徴的なのは、顧客と競技者を統合して一元管理するデータベースがライツに入っていることです。現地で情報交換したわけではありませんが、恐らく、将来的にビジネスのメインになってくるのは、このデータベースでしょう。我々も、本丸はこのデータベースと思っていますので。数年後には、バスケットボールを「する人」と「見る人」をつなげることができるようになっていくのではないかと考えています。

今年5月に行われた、B1横浜とB2プレーオフ3位の広島による入れ替え戦の一場面。(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)