KDDI総研は「リアルタイム」強調

 KDDI総合研究所は2017年10月、撮影した映像をカメラが存在しないアングルも含めてリアルタイムで任意の視点から視聴できる「自由視点VRリアルタイム制作システム」を世界で初めて開発したと発表した。同社が2017年10月に開催された展示会「CEATEC JAPAN 2017」で披露したボルダリングのデモでは、16台のHDカメラを使って、クライミングする選手を撮影。得られた映像からリアルタイムに自由視点VR映像を作成してみせた。ユーザーは手元にあるゲーム用コントローラーで、どの視点のVR映像を表示するかを自由に選べる。

展示会「CEATEC JAPAN 2017」のKDDIブースで披露した「自由視点VRリアルタイム制作システム」のデモ

 また、KDDIと北海道日本ハムファイターズ は2017年8月、米4D REPLAY社が開発・販売する自由視点映像システム「4D REPLAY」を活用した実証実験を、札幌ドームで開催されたファイターズ対オリックス・バファローズ戦で実施した。4D REPLAY社は、映像処理時間の短縮や画像品質の向上を実現する技術を保有しており、短い処理時間で映像生成できる点が特徴としている。

 冒頭で紹介したキヤノンは「現在は実証実験段階であり、ビジネス計画については未定」(広報)としており、リアルタイム性よりも映像の品質で勝負するようだ。「自社で培ってきた優れたカメラとレンズ技術を生かせる」(伊達氏)からだ。

 「自由視点映像」は、プレーデータ(スタッツ)の表示などと同様、スポーツ中継の魅力を高める技術として期待が大きい。2019年のラグビーW杯、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに、どのような進化を遂げるか、楽しみだ。

スポーツイノベイターズ オンライン 2017年11月30日付の記事を転載]