(写真=毎日新聞社/アフロ)

 羽生さんとは10年以上前、鼎談でご一緒したことがきっかけで交流が始まった。王位就任パーティーの来賓として2回ほどスピーチをしたこともある。将棋にうとい私でも務まるのかと聞くと「将棋を知らない人のほうがいいんですよ」と答える気さくな方だ。

 彼がすごいのは、すでに十分天才であるはずなのに、継続すること、努力することを止めないことだ。「将棋を1週間やらないと調子を取り戻すのに1カ月かかる」と、毎日将棋を指す。

 新しいものに対する情熱もものすごい。これまでタブーと言われた指し方や、電王戦に代表される「今までなかったもの」に対しても柔軟に、前向きに取り組んでいる。自分の生き方を日々革新し続ける、変化を恐れない姿勢は本当に尊敬に値する。

 AI(人工知能)の能力が人間を超えるかが取り沙汰されているが「ひらめき」とか「新しいものへの渇望」がある限り、人間の能力はAIに勝る価値を持ち続けるだろうと思う。

 イノベーションは自分がビジネスをする上で大事にしている価値でもある。だから羽生さんは僕にとってのアイドルなのだ。