(写真=竹井 俊晴)

 2015年6月米ロサンゼルスで開催されたゲーム見本市。彼女たちが開発した世界初の技術に思わず「視線」を奪われた。

 赤外線で眼球の動きを感知し、ヘッドマウントディスプレーの装着者がどこを見ているのか一瞬で認識する視線追跡機能。実際に体験してみると、認識速度がとにかく速く精度も高い。視線をぱっと移すと、意識するよりも早く次々にゲームの中の標的がロックオンされていった。

 12年前、私が手掛けたアニメ「マクロスゼロ」の中で、視線で敵をとらえ倒すというワンシーンがあった。VR(バーチャルリアリティー)の世界とはいえ、あれが現実のものになっていたのだ。

 私は空間表現が好きで、平面のスクリーンには以前から限界を感じていた。ヘッドマウントディスプレーを使ったVRの世界は今後アニメ、ゲーム業界で大きく飛躍する可能性を秘めている。一見ふわっとしていていい意味で力の抜けている彼女だが、その根底には「とにかくゲームが好き」という熱い思いがある。視線追尾機能を使い、彼女はこれから3次元空間にどんな新しい可能性を描き出すのか。私自身もワクワクしている。