(写真=Kremlin/RIA Novosti/ロイター/アフロ)

 「50年前、私はレニングラードの路上で一つの鉄則を学んだ。闘いが避けられない時、先制攻撃することだ」。ロシアのプーチン大統領は10月末の演説でこう述べた。子供のころケンカばかりしていたらしいが、「路上の鉄則」は、ウクライナ介入、シリア空爆という近年の軍事行動に表れている。NATOなど相手側がひるむ隙に、一気に攻勢に出て有利な立場に立つ狙いだ。11月に起きたトルコ機のロシア機撃墜では、「背中から刺された」と言い放った。ドスの効いた発言は、往年の東映ヤクザ映画を思わせる。

 プーチン外交は当初、柔軟でプラグマチックだったが、2012年の大統領復帰後、反米主義や愛国主義が顕著で、安易な武力行使が目立つ。政権延命を最優先するためだろうが、一連の冒険主義は明らかに国力を超えており、2016年は経済がブレーキをかけるだろう。それにしても、米露対立が高じて核の「先制攻撃」がないことを祈るばかりだ。