(写真=服部 あさ美)

 毎年龍馬の命日11月15日に、高知県立坂本龍馬記念館で開催されるイベントがある。数百人が手を繋ぎ、太平洋を望む龍馬像と記念館前のシェイクハンド龍馬像を結ぶことで彼の志を想う、そんなハンドインハンド・イベントだ。今年急逝された森健志郎館長の肝いりで始まった4年前、参加した僕の隣は尾崎知事だった。何度か言葉を交わす機会はあったが、握手を通じて改めて感じたその印象はイベントの静かな興奮と共に未だ僕の心の奥底にある。思えば龍馬は、人と人の手を繋ぐこと、心を結ぶことの天才だった。

 そしてそれは未知への飽くなき関心に支えられていた。故郷に軸足を据えるリーダーの覚悟は、繋がっている世界への見識、外部の温度や体温への敏感さに支えられていなければならない。地産外商を目指す尾崎知事は土佐人ならではの穏やかな熱風を感じさせながら、新しい地方自治の芽を根付かせていくに違いない。そう、あの龍馬のように。