(写真=服部 あさ美)

 スンダル・ピチャイがグーグルに入社したのは2004年。当時、彼はグーグルに入社する数いる優秀な社員の一人にすぎなかった。インドで優秀な成績を収め、米国に留学、そのままテクノロジー企業やコンサルティング会社を渡り歩き、グーグルへ。その前はマッキンゼーにいた。

 しかし、スンダルはほかのエリートとは違った。数々の仕事をプロダクトマネジャーとして成功に導いた際には、洞察力のみならずソフトな物腰の交渉術で皆を魅了した。口調は柔らかくはあったが、一方で大胆不敵な挑戦を好む彼の上司ラリー・ペイジに通じるところがあった。

 彼の転機となったのはグーグルのブラウザー「Chrome」だ。懐疑的な見方に打ち勝ち、2008年にリリースにこぎ着け、今や世界で最も人気のあるブラウザーに仕立て上げた。

 スンダルは、ペイジの右腕としてより重責を担い、難しい決断を次々としながらも、皆の支持を集め続けた。グーグル社内はもとより、社外を見渡しても、スンダルを好きじゃないという人はいない。

 そして今、グーグルはアルファベットという企業体となり、スンダルは傘下のグーグルCEOとなる。技術で世界を変えるというグーグルの大志を具現化していくだろう。 相手を人として尊重しながらもその理想を実現しなければ意味はない、ということを象徴する人物でもあるのだ。