(写真=AP/アフロ)

 12月に行われたフランス地方選挙で、極右政党「国民戦線」が急躍進した。不安なニュースである。

 難民危機と失業増大の不安感が、欧州全体の右傾化をさらに深めようとするあらわれである。移民への苛立ちは、不況の深化とテロへの厳重な治安対策によって、排外主義を加速させる。

 自由、平等、人権、寛容。つまりは民主主義と平和主義にたいする国際的な逆風が、島国としての日本に、これからどのような影響をもたらすのか。その不安が強まっている。

 これまで、日本人は国際的なテロの恐怖を感じることなく暮らしてきた。外国での軍事行動は行わない。日本国憲法の精神が、他国にも伝わり、安定した信頼関係を勝ち得てきた。

 しかし、安倍内閣の集団的自衛権の行使容認、米国との軍事同盟の強化法が、これからどのような対外関係をつくりだすのか。不安な状況が生み出されようとしている。

 かつては戦火のベトナム、カンボジア、いまは中近東やアフリカなどから、日本に入国し、難民申請をしている人たちがいる。しかし、日本の入国管理が厳しいことはよく知られている。

 難民申請している人たちは、年間5000人(2014年)ほどである。しかし、難民の資格が取れるのは年間数人程度である。しかも、その結果がでるのに平均3年。5年以上たってもまだ、資格取得できていない人たちも多い。彼らは、結果がでるまで、「特別在留許可」という資格で、日本に滞在している。

 強制送還される人たちが、ときどき新聞やテレビで報道される。日本ではそれは難民問題が日常的なことではなくニュースバリューがあることを意味している。

 しかし、最近は「強制収容」「強制送還」という「事件」にはならない。彼らは「難民」の資格を取れないまま、「労働力不足」の世相に埋没するようになった。

 いわば「視えない労働力」として、日本経済に寄与している。だが、社会保障や子どもの教育をどうするのか。問題は大きい。このような中途半端な状態では、難民申請者には不穏当である。

 日本は世界共通の課題となった「難民問題」に、どう向き合えばよいのか。いままでのような「鎖国状態」ではすまされない。国際化のためにも、大胆に迎えいれなければなるまい。

 しかしその数をどうするのか。住まいは、言葉の壁は? 将来をよく見通し、議論を始める時期に来ている。

 日本は国際社会に試されている。「覚悟」を決めなければなるまい。