(写真=大高和康)

 「将来モノになる政治家はいないか」──。政治記者の習い性なのだろう。いつもそんなことを考えながら目を凝らす。「これはいい」という情報があれば自ら足を運びこの目で確かめる。鈴木貴子もその中のひとり。父親の宗男とは取材を通じて30年以上の長い付き合いがあるが、実は貴子のことはほとんど知らなかった。だが早くから気になる存在だった。

 政界の裏表を知り尽くし、議員の世襲について否定的だった宗男が、なぜ2人の兄を差し置いて末娘の貴子を政治の場に立たせたのか疑問があったからだ。最近になってようやくその「謎」の片鱗が見えてきたような気がする。

 貴子の戦場は衆院北海道7区。中心地の釧路市は北洋漁業と、今は閉山した旧太平洋炭砿で栄えたいわば「男の街」。そして北方領土が視界に入る「国境の選挙区」でもある。海外留学を経てNHKのディレクターから政治の世界に転身した貴子と、厳しい北の大地がどうしても結びつかなかった。しかし今や長靴を履いて飛び回る貴子は実にしなやかに溶け込む。選挙で掲げたスローガンは「目指します 日本のリーダー」。厳しい風雪に耐える北の男たちと小柄な貴子が絶妙のコントラストを描く。