(写真=ロイター/アフロ)

 数年前、ジャック・マー会長は蛇を操る風水師にほれた。ご自分のブログでもその「神通力」を称賛していた。最新のテクノロジーを駆使する人が蛇を駆使する人の超能力にほれるとはにわかに信じ難いが、マー会長はそれを隠そうとしない。

 電子取引、ネット金融のほか、メディアや映画などにも手を広げ、次々に成功を収めるマー会長の経営者の能力は申し分ない。しかし、彼は経営者らしくない、合理的ではない側面を見せてくれるから何かと話題になる。かぶり物で社員とパーティーで盛り上がっていると思ったら、真剣な顔でインドでモディ首相にアドバイスしたり、ユーモアを交じえてフィリピンでオバマ大統領と創業を語ったりする。マー会長はこれまでの中国人経営者にないものを持っている。

 「偽物を売っている」「株主の利益を侵害している」などの批判も多いが、マー会長が中国だけではなく世界の人々にも良い印象を与えてきたのは、彼の風水師にもだまされる愛嬌と持ち前の明るさかもしれない。