(写真=田村翔/アフロスポーツ)

 大地は、僕が市立船橋高校の体育教師だった時代の教え子だ。彼は水泳の授業では、まるでミズスマシのように自由自在に泳ぎ回っていた。

 「おーい大地、見本を見せてみろ」。水泳の授業では僕より彼のほうが「先生」だった。僕も彼からターンの仕方を教わっていたほどだから。あの飄々とした立ち振る舞い、実直で決して人の事を悪く言わない性格は、ソウルで金メダルを取った時も、史上最年少で日本水泳連盟会長に就任した時も、今も、全然変わらない。

 だから、スポーツ庁長官就任の知らせも、「なるべくしてなった」という感だ。僕はQちゃんらの教え子には「競技を終えてからの人生のほうが大切だよ」と言い続けてきた。大地はまだ48歳だ。最近、あまりいいニュースがないスポーツ界を立て直して欲しい。僕が後方援護できることがあるとすれば東京五輪に向けて、メダルが取れる選手を一杯育てることだ。

 もう「大地!」とは言えなくなったな。「長官!」と呼ばなきゃな。その長官にひとこと。鼻水垂れた年寄りを大事にしないと不幸になるぞ!