(写真=後藤麻由香)

 「社会を変えるのは、数人でできますから」

 何かの打ち上げで一緒になった際、藤田さんはさらっと言った。

 ああ、この人、本当に本気で変える覚悟を持ってるんだな。そう思った。

 確信に満ちた言葉の背景には、これまでの経験と知識がある。自費でシェルターを立ち上げ、自らがホームレスや生活困窮者と生活を共にしながら支援し、大学・大学院で社会福祉を勉強する日々。現場の実践と、学び・研究。奔走の日々の集大成が『下流老人』となった。この言葉は、2015年の新語・流行語大賞にもノミネートされた。

 彼が「活動家」と一線を画すのは、常に社会を変えるという揺るぎない思いを持っているところだ。決して現場だけに埋没しない。そして常に「最終獲得目標」を見据えている。そのために、審議会の委員などの形で政府に入り、提言を続ける。現場から構造を変えるために届けられる言葉は、常に理論的だ。

 まったくニュータイプのソーシャルワーカーが今、この国に蔓延る貧困と格闘している。