
ベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏は、もはや“世界のイチロー”である。ウイスキーの世界でイチローと言えば、大リーグのイチローではなく、ベンチャーウイスキーのイチローを指す。日本だけでなく、それだけ世界のウイスキーファンの間でその名が轟いている。
肥土氏の凄いところは、第一に謙虚である。どんな質問にも丁寧に応えてくれる。初対面でも、たちまちファンになる。第二に真摯である。ウイスキー造りに一切、手を抜かない。愚直なまでにウイスキー造りに取り組んでいる。しかし、それだけではこれだけの成功を収めることは不可能だろう。
本当に凄いのは、その類いまれなるアイデアだ。発酵槽に日本のオークであるミズナラを使ったり、従来のウイスキーにはない“チビ樽”を考案したり、そしてベンチャーの名を一躍有名にした“カードシリーズ”のボトリングだ。これはトランプのカード54枚(ジョーカーが2枚)をラベルに使ったシリーズで、2015年8月に香港で開かれたオークションで4800万円の値をつけた。
起業家に要求される資質は類いまれなるアイデアマンであること。まさに、それを地でいくのが肥土伊知郎氏なのだ。
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