(写真=竹井俊晴)

 ネジと言えば、らせん構造。ここには2000年変わらぬ歴史がある。この長き既成概念を打ち破ったのが、道脇さんが開発した「ゆるまないネジ」である。

 右回りと左回りの2つのナットを逆方向に締めていき結合するや、ゆるむことはない。NASに準拠した耐久試験を行ったところ、ゆるまないどころか試験装置のほうが先に壊れてしまった。

 弱冠10歳で小学校を自ら“中退”。大学教授だった母の研究室で、ひたすら実験にいそしむ少年だった。無線通信で文字を送ることを小学校高学年で思いつく。食事の回数より発明の回数が多く、ネジ専門の発明家というわけではない。

 彼の前にはいつも500mlの「午後の紅茶」が3、4本置かれている。液体の糖分が脳に栄養を与え、眠気を抑えてくれる。そのキャップのところに、彼が開発した「プチッパ」がはめてある。クルッと回すだけで、握力がない人も簡単にキャップを外せるという。感心すると、1つわけてくれた。心優しい奇才である。