(イラスト=服部あさ美)

 Airbnb(エアビーアンドビー)。最近、皆様も耳にしたことがあるのではないだろうか。近年、地方創生やインバウンドが騒がれる中、宿泊施設の不足を補うために遊休資産の活用をという話がある。そのはしりとなったベンチャーだ。自分の家や空き部屋を宿泊場所として提供する人と、そこに宿泊する人の間を取り持つコミュニティーサービスを提供する。

 そのCEO兼共同創設者であり、戦略担当のブライアン・チェスキー氏。1981年生まれの彼が起業したのは2008年。まだ34歳の若きCEOだ。

 「新経済サミット2013」登壇のため来日した時に初めてお会いした。Airbnbも最初から成功していたわけではない。サービスを知ってもらうため、社名の1文字“b”が意味する“breakfast(朝食)”として、シリアルを売り出したこともある。彼のお母さんは厳しい人で、「あなたはいつの間にシリアル屋さんになってしまったの」と嘆かれたと笑っていた。

 今では世界各国で利用されているAirbnb。「若いうちは、リスクを取る機会がたくさんある。でも年を重ねるとそういうわけにはいかない。だから若いうちにリスクを取るべきだ。Airbnbのアイデアは家族と友人からも大反対にあった。失敗したら恥ずかしいと思うかもしれない。でもそれを乗り越えた時には成功が待っている」と語っていた。

 アントレプレナーという程度の生易しいものではない。既存の概念やルールなど顧みない革命家という印象だ。

 いいアイデアがあり、それを形にしたいと思えば起業できるというシリコンバレーの環境だけではなく、彼のように、ビジネスを楽しむこと、オープンであること、そしてリスクを取ること。そこからクリエーティビティーやイノベーションが生まれるのではないだろうか。