(写真=千倉志野)

 僕が中西君に初めてお会いしたのは彼がまだ米バークレーで学生生活を送っている時だった。突然彼から「これから起業したい。ぜひビジネスプランを見てください」と連絡をいただいた。僕のオフィスで土曜日にお会いした。

 鋭い目つき、ひげ。彼の風貌は決して穏やかではないが、どこか人懐こさがあり、何となく助けたくなる雰囲気を持っていたのが特徴である。

 そんな彼が「便もれゼロ社会を作るためのデバイスを作る」とプレゼンしてきたのだ。実際のところ、何でこれをやろうと思うのと聞くと、「僕がうんこをもらしたからです」とひと言。絶対嘘だと思ったので、「嘘つけ」と言ってみたら、すごい剣幕でまくしたててきたので本当なんだなと思った。

 高齢化が深刻化する日本で介護問題は今後、誰もが避けて通れない。こうした中で、中西君の開発する「D Free」は、排泄のタイミングを、事前にスマホなどで伝えてくれる。非常に大きな可能性を秘めている。クラウドファンディングで大成功をおさめたことは、D Free が社会に必要とされているという証左だろう。世界の課題を解決するプロダクトとして、日本のみならず世界へも広めてもらいたいと期待している。