(写真=的野 弘路)

 齊藤さんと初めてあったのは2014年3月のこと。齊藤さん率いるPEZY社に転職したばかりの、元ルネサスの鳥居さんにどんな会社ですかと聞いたら、齊藤さん自ら東工大に来て会社・製品を紹介してくれた。

 PEZY社の名前自体は3次元実装とメニーコアプロセッサを開発しているベンチャーということで聞いたことはあったが、それまでネット上にもほとんど情報がなかった。話を聞いてみると既にシリコンバレーで創業したテラリコンで医療 CT向けの画像処理システムを開発し、ほぼマーケットを制覇するような実績があること、PEZY社はより汎用的なプロセッサ開発に集中するために設立し、既に512コアのPEZY-1は完成、1024コアで1.5TF/65Wを実現するPEZY-SCがテープアウト間近とのことだった。

 これは本物だ、と思った私は、齊藤さんのスライドの最後にあった、Top500/Green500への挑戦、つまりスパコンへの挑戦について、強く勧めるとともにこちらでできるサポートはなんでもします、といったように思う。それからはあっというまで、同じ年の11月にはもうできたばかりのPEZY-SCプロセッサでシステム構築し、新規の液浸冷却でGreen500の2位にはいるという快挙をなしとげ、次の2015年6月には1~3位を独占した。もちろん、齊藤さんの下に集まった素晴らしいエンジニアたちの成果だが、この驚異的なスピードは「齊藤マジック」というしかない。

 今後も素晴らしいスピードでHPC産業、さらには日本・世界の情報産業に革命をもたらしてほしい。