
きゅんくんは、センサーとLEDが連動したスマートシューズ「Orphe」を開発するメカエンジニアであり、「ロボティクスファッション」をテーマに斬新な作品を発表している注目のクリエーターである。
ウエアラブルデバイスが注目を集める昨今、人々はそれがどのように人間の経験を変え、 潜在能力を引き出し、身体を拡張するかを考え始めるようになった。 そんな中、彼女は機械を身につけることが、「機械」と「人間」の付き合い方を考えるきっかけになると語る。人間と機械はどこまで物理的距離を縮められるのかを探ろうとして、ウエアラブルアームロボット「METCALF」という作品を発表した。
まだ世界がウエアラブルデバイスのそもそもの是非を語り始めたばかりの中、彼女はたった一人、人間が機械を身につけるのは必然という立場に立ち、人間と機械が距離を縮めると、どこに境界が生まれるのかを問題としているのだ。しかも、それを哲学的な問いとして思考するのでなく、あくまで自ら電子工作や金属加工を行い、縫製を手掛けるファッションデザイナーとして。
「機能としてのウエアラブルデバイスが普及した未来、デバイスを身につけることが当たり前になった人々は、機能のないデバイスをも身につけるようになる」。こう彼女は予言する。何という予見。何という先進性。弱冠21歳にして数十年を先取りした彼女から僕は目が離せない。
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