(写真=ロイター/アフロ)

 実にしたたかな男だ。そして先物買いが得意なセンスのいい、ビジネスマンだ。

 2015年9月、独フォルクスワーゲンの排ガス不正が明るみに出るや否や、プロデューサーとしてこの事件の映画化権利を獲得した。

 事件発覚から1カ月もたっていない。事件の全貌はほとんど明らかになっておらず、原作者も執筆に取りかかる前の出来事。その異常な速さに世界は驚いた。

 政財界に強いパイプを持つディカプリオ氏は、事前に情報を察知していたに違いない。映画化権の獲得は決してまぐれなどではない。

 彼は以前、いち早くトヨタ自動車のプリウスを購入して、自ら運転したことで話題になった。環境への配慮の高まりを察知して、世間に自分の姿をアピールしたのだ。

 そんな露骨に計算高いディカプリオだが、アカデミー賞の主演、助演男優賞には手が届かない。過去4度、2014年もノミネートされながら一歩、及ばない。

 彼はタイタニックの呪縛を今でも引きずっている。映画タイタニックは1998年のアカデミーで作品賞をはじめ11部門を受賞したが、主演男優のディカプリオは受賞を逃した。アイドル、二枚目俳優のイメージがいつまでも先行する一方、老い太っていく彼は自ずとしたたかに生きる道を選んだ。

 そんな彼が手がけるフォルクスワーゲン事件映画。公開はまだ先だが、確かに売れそうなにおいがする。