(写真=アフロ)

 GP(グランプリファイナル)での羽生結弦は衝撃だった。私は、テレビの前で何が起こっているのかよくのみこめずポカンとしていた。

 見たことがない。受けとめ切れない。今までの常識が役に立たない。ただ、彼だけ何かが全くちがうのだ、ということだけがわかる。

 どうしてこんな離れ技を出現させられるのか理解はできないが、ビンビン伝わるものがある。体も技術も演技も、時間も空間も越えて流れこんでくるのは、祈りのような、歌のようなものだ。

 羽生はインタビューでこう答えている。「4歳でフィギュアスケートを始めた時から自分は何も変わってないです」。

 4歳、目からビームを出せて、空を飛べると思っていた。のに今、私の頭と体はガチガチだ。小さい時に持った志をブレずに追い続ける彼だから、今でもビームを出せるのだ。自分にブレーキをかけない生き方に、打ちのめされる。