(イラスト=服部あさ美)

 謎めいた亀山さんのことを人に説明する時に、いつもこう言っている。「日本で一番イカした金持ち」と。とにかく飾らない。まず待ち合わせ場所に一人で現れる。運転手も秘書もカバン持ちも、時にはカバンすらない。時にはママチャリに乗ってやって来る。 

 いくら稼いだ、いくら使ったという自慢話など聞いたことがなく、誰に対してもフラットで、彼の前では甘っちょろいロマンチシズムに映る であろう僕や多くの若手の話にも、シビアなビジネス力学の視点を持ち込んで可能性を模索してくれる。

 一抹の虚栄すら混じりようのない純粋さで体現してくれる人を僕は他に知らない。冷徹であり温かい、形容しがたい稀有なその姿は、一種、科学者のようであり、求道者であり、時には仙人のように見える。それが僕にはとても美しく、イカして映る。