(イラスト=服部あさ美)

 2014年、中央アフリカの風土病であったエボラ出血熱が、西アフリカ諸国で大流行を起こし、これまでのアウトブレイクを遥かに凌駕する2万人以上の感染者を出し、その約半数が死亡した。これに世界中が驚愕し、この危機的な状況に国際社会が動いた。

 日本から、国連エボラ出血熱緊急対応支援団に初めて派遣されたのは、外務省アフリカ第一課の小沼士郎氏。東大医学部卒業、「多くの人々の役に立ちたい」と外交官試験を受けた医師免許を持つ外交官だ。そんな彼の意志が、アフリカの現地で高致死率の重症な伝染病でパニックになっている人々を救った。小沼氏はシニアアドバイザーとして支援団トップを戦略面から補佐し、治療センターでは医療の知識を駆使した対策を次々に打ち出した。そして、最前線で働く国際機関やNGOの調整役にもなった。「さまざまな疾病に対応できる医療体制の確立が重要だ」と語る小沼氏の目は、今、マラリアの対策にも向けられている。