(写真=川尻亮一)

 北の大地の未来を切り拓く、大きな一歩が2016年3月26日に刻まれる。北海道新幹線がついに開業する。

 新青森駅から、津軽海峡を青函トンネルで抜け新函館北斗駅まで149km。1988年3月にトンネルの営業を始め28年。建設着手から半世紀の歳月が過ぎた。

 道内経済界、そして道民の期待が強ければ強いほど、その肩にかかる責任は重い。

 「やっとここまで来た。しかし、これからだ」。島田さんはそんな心境だろう。まぶしいほどのスポットライトを浴びながら、開業までの日々を乗り切り、さらにその後も続く重責を担わなければならない。

 いろいろあった。いくつもの重大事故、不祥事。赤字路線を数多く抱える厳しい経営環境。そんな中での新幹線の準備だった。

 社長になる前、会社の本流から一時外れた。思い出したのは学生時代にワンダーフォーゲル部で覚えた山登りだ。道なき尾根、密生する竹藪のつらさ。一歩ずつ、迷わず、ひと筋に。大切なのは本当の目的地を見失わないことだ。

 開業のその日から、今度は札幌までの延伸の旅が始まる。おそらく10年を超す。覚悟の長旅が、また始まる。