
素晴らしいアイデアが生まれる必要条件は、友好と尊敬と論争。これが彼の信念だ。
モルガン・スタンレーのチーフエコノミスト時代、彼はあるルールを作った。「社内の他のエコノミストの専門分野であろうと、異論があったらリポートを書け。ただし、自分と相手、双方の主張とその根拠を併記すべし」。相手の意見に耳を傾けつつ、時には顧客の前で真っ向から議論を挑む。真剣な議論だからこそ、投資家からの信頼も厚くなった。
今後、世界経済は一体どこに向かうのか。間違いなく1つのカギを握る日米中の関係について、最近はただ敵対的に語られることが多い。しかし、そんな考え方は衝突を生むだけだ。「それぞれの事情はどうで、どんな問題点を抱えているのか。どうしたらその解決策を導きだせるのか」。彼ならこう言うに違いない。
このような彼の信条は科学進歩の基礎でもあるし、各国の友好関係が生まれるための基盤でもある。
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