(写真=後藤麻由香)

 2013年7月の参院選挙は衆参のねじれ解消、ネット選挙解禁など、話題には事欠かなかったが、安倍政権の信任投票の色合いが強かった。

 そこで世界史の化石とまで言われる共産主義を、今なお志向する結党90年の日本共産党が復活をとげると、誰が予測しただろうか。奇跡を招き寄せたのは「キラキラ」を合言葉にした、31歳の吉良佳子だ。

 2012年1月に候補者に決まった時点で泡沫候補とみなすメディアも少なくなかったが、東京選挙区で集めた70万票余は有権者を驚かせるに十分な得票だった。ネット番組、ツイッター、フェイスブック、ゆるキャラなどを駆使して、護憲、反原発、反消費増税の「前衛党」らしからぬ広報戦略の波に乗って彗星のごとく躍り出た。

 2013年9月発表の国税庁調査では役員を除く正規従業員の平均年収は467万円。非正規は168万円。同世代の3人に2人が非正規雇用の不遇な条件で働く若者の支持を集めた。拝金主義を問い、「ブラック企業」へ糾弾の声をあげた。

 その吉良に会ってみると気さくで爽やか。なによりも「ふつう」を感じる女性だ。小柄で華奢な全身に若者のパワーが宿る。「期待がプレッシャーでもある」と話すが自然体の中にある秘めたる闘志はこれからの国会で一石を投じるはずだ。