(写真=佐藤博信)

 セブン-イレブンのブランディングプロジェクトをプロデュースさせていただくことになり、初めてお目にかかったのは4年前。展示会で商品を丁寧にご説明いただいた。僕がブランド管理の視点から、商品構成やパッケージの矛盾点や疑問点などを上げ、改善するべき点について突っ込んだ質問をしたところ、井阪社長はハンカチで汗を吹きながら「仰る通りですね」と、正面から受け止めて下さった。経営者であれば、自分の会社についての指摘には、つい言い訳したくなるものだ。問題を可視化することを受け入れた井阪社長の大きさを感じた瞬間だった。

 その後半年間、週1ペースでミーティングを重ね、ブランドをどう進化させていくかについてとことん話し合った。広範囲にわたる議論から、明確にポイントを掴む判断力、抽出した課題の本質を経営的な戦略として展開していくイメージ力、そして動くべきタイミングを見極める忍耐力は、いつも本当に鮮やかだ。ディティールを見落とさないきめ細かさと巨大な組織を動かしていくダイナミックさを両立し、何事に対しても真摯に向き合い、ブレないジャッジを下す経営者だが、会うといつもにこやかで、プレッシャーを全く感じさせない。井阪社長の情熱が続く限り、セブン-イレブンは、いや日本のコンビニ産業は、終わりなき挑戦を続けるだろう。