(写真=大高和康)

 車に一目惚れした。若い頃は車選びに余念がなかったが、歳と共に、いつの間にか私は無難で実利的な車を選ぶようになっていた。しかし、マツダのCX-5に出逢って眠りかけていた車への想いに火がついた。

 魂動というテーマに基づくデザインの美しさ。スカイアクティブの技術で作り上げられたエンジン、シャーシ、ボディの高質性。そして「人馬一体」の走り。ディーゼルエンジンの逞しさ。これが最後の恋だ! 私は躊躇うことなくCX-5を伴侶にした。

 このマツダ、2014年3月期に純利益が大きく上回って過去最高となる。円高に苦しみながらも国内生産にこだわり続け、デザイン性や遊び心を死守しながら、徹底的に効率と実利を追求するという、その難しい解を求めてずっと挑戦し続けてきた一人が、小飼雅道社長だ。

 防府工場長、タイの関連会社、技術本部長を経て2013年からCEOとなったが、現場と技術を知り尽くしている彼は、車離れと言われる原因も知っている。車離れは実は、魂を揺さぶるような車を送り出せなかった自動車メーカーの問題でもあるのだ。ドライブ好きで実直な小飼氏は、久し振りに登場した硬質な社長。日本の自動車産業の未来を予感させる。まさに魂動の人だ。