(写真=常盤武彦)

 私が初めて彼に会ったのは、まだツイッターに従事していたときだ。数多くの起業家と会ってきたが、彼は少し違った印象を醸し出していた。

 例えて言うなら、米アップルのスティーブ・ジョブズ氏のようだった。米ヤフー創業者のジェリー・ヤン氏、米フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグ氏などは、どこかエンジニアの香りを漂わせる。

 ところがジャックの場合、どちらかというとデザイン志向が強い印象を持った。彼は今、ツイッターに続く企業としてモバイル決済サービスを展開するスクエアを起業している。彼らしく、壮大なビジョンを掲げつつも、ユーザーエクスペリエンスに重きを置いた、シンプルさを追求したプロダクトを世に送り出し続けている。

 ご存知の通り、楽天は「わいわいがやがや」の文化が強い。その分、彼から学べることはとても多い。

 一見、とっつきにくい印象を持つ人がいるかもしれないが、彼は非常に人懐っこい性格だ。私が現在率いている新経済連盟が開催したサミットにも、快く引き受けて登壇してくれた。

 彼は日本をこの上なく愛し、会えばいつも京都や箱根といった日本の話で盛り上がる。誰よりも日本文化への造詣が深い起業家の一人ではないだろうか。美をとことん追求する、希有な経営者の一人であることは間違いない。