(写真=後藤 麻由香)

 シェフ成澤由浩の思想は未来のシンボルであり、そして現実でもある。シェフの料理は自然界のリズムと発展していき、自然そのものが表現されている。

 「お客様は旬の食材の魔法にかかる」。そう彼は私に話してくれた。本当にその通りだと思う。幸運にも私はシェフの選ぶ食材を目の前にし、そしてシェフのつくる料理を何回も試したことがある。森を案内してもらったこともあり、そこでシェフが感じている“食材の命を感じる”ということを教えてもらった。

 シェフの食材に対する考え、サスティナビリティそしてシェフの料理のもとになる土の健康状態を重視していることは本当に素晴らしい。最高のクオリティの食材を揃える事は、彼にとって当たり前のこと。さらに彼はそれらの食材、生産者に愛情を注ぎながら料理する。

 また日本のワイン、日本酒、調味料など、日本国内の産物への研究も熱心である。前衛的な技術も受け入れているが、シェフの料理は彼個人のものである。海外のシェフ仲間たちも、段々と日本に近づいているような気がする。

 私はシェフのレストランに行くたびにシェフ、そして裕子夫人から新しいことを学んでいる。お2人は希望、情熱、繊細さをもち、完璧な仕事をなさるクリエイティブなデュエット。NARISAWAはアジアNo.1、国内そして海外でもトップクラスのレストラン。

 シェフは伝統と21世紀を繋げる原始的な現代人で、日本の料理を愛する私にとってお手本である。日本文化をお皿に凝縮し、料理で感動を表現することが可能と教えてくれた。