(写真=的野弘路)

 体が不自由なお年寄りを抱えてお風呂に入れ、トイレに導き、排泄させる。

 老人ホームでは日常の風景だ。それがいかに体力を要する、大変な作業か。老人ホーム事業も手掛け、現場を知る私にはよくわかる。

 山海さんが作るロボットスーツ「HAL」は、介護の現場を一変させる。HALを身体に装着すれば、20キログラムの米でもやすやすと持ち上げられる。

 50年後、日本の全人口に占める65歳以上のお年寄りの割合は5割を超える。老老介護が当たり前になるその時には、世界中で彼のロボットが必要とされるに違いない。山海さんはそんな未来を見据えて、HALの普及に心血を注ぐ。

 HALが身近にある世の中では、今は杖をついているお年寄りが、自由に歩行できるようになる。「老い」を恐れる必要がなくなる時代が間もなくやってくる。