(写真=的野弘路)

 鉱山業とは何なのだろう。ただ単純に地面や山から土を掘り、鉱物を掘り出す作業だ。鉱山機械が大型化されただけで、手法自体は130年間変わらず。中国の胎動で、採掘作業は人里のない僻地に広がっている。夏は摂氏40度を超える灼熱のオーストラリア、冬は氷点下45度のモンゴルとて例外ではない。

 安全を最優先に、どこまで作業を効率化し、過酷な労働環境から従業員を解放できるか――。資源市況がやや弱含んでいるとはいえ、オーストラリアにある鉄鉱石、石炭のヤマでは、300トン積みの超大型トラックを駆る運転手が不足し、彼らの年収1500万円でも足りないほどだ。

 そんなとき黒本軍団が無人ダンプという画期的な技術を提案してくれた。「他と同じことをやっていてもアングロサクソンには勝てない」「製造業のサービス化を進めて客の懐に入っていく」。北陸出身の朴訥としたエンジニアは、こう打ち明ける。無人ダンプの実用化には、20年余を費やしてきたという。

 いま、私たちのヤマで動いている無人ダンプは30台ほど。これを150台に増やす計画だ。ニッポンの技術をきっかけに、130年続いてきた鉱山業は、歴史の転換点に立っているのかもしれない。